0時を過ぎても開けたいが、許可を取るのか届出で足りるのかが分からない。
開店日が決まっているときほど、ここで時間を失います。
午前0時をまたいでお酒を出すなら、営業を始めようとする日の10日前までに深夜酒類提供飲食店営業の届出が要ります。
窓口は営業所を管轄する公安委員会で、実際には所轄の警察署に出します。
ただしこの届出には大きな条件が1つあります。
届出でできるのは「接待をしない」営業だけです。
この記事では、届出の期限と書類、6つの構造の基準、そして許可との取り違えを条文で順に確認します。
届出をした店にかかる照度20ルクスの下限や見通しの条件は、深夜酒類提供飲食店の構造基準にまとめました。
読み終えたら、開店日から逆算していつ何を出せばいいかが決まります。
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深夜酒類提供飲食店営業の届出が要る店・要らない店
まず言葉の定義からです。
風営法2条13項4号は、酒類提供飲食店営業をこう定めています。
飲食店営業のうち、バー、酒場その他客に酒類を提供して営む営業(営業の常態として、通常主食と認められる食事を提供して営むものを除く。……)で、午前六時から午後十時までの時間においてのみ営むもの以外のもの
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律 第2条13項4号
主食を出す店は対象から外れる
読みどころが2つあります。
1つめは主食を出す店は除かれることです。
定食や丼もの、麺類のように主食と認められる食事を営業の常態として出しているなら、深夜まで酒を出していてもこの届出の対象になりません。
スナックやバーは乾き物やチャームが中心で主食を出さないので、原則としてこちらに当たります。
判断が微妙な店もあるので、メニュー構成が中途半端なときは所轄の警察署に確認してください。
なお、料金表示を義務づける法17条の主語は風俗営業者なので、届出だけの店には直接はかかりません。
その代わり消費税の総額表示は業態を問わずかかります。詳しくは風営法の料金表示にまとめました。
0時前に閉めるなら届出は要らない
2つめは「午前6時から午後10時までの時間においてのみ営むもの以外」という部分です。
そして風営法13条1項が深夜を「午前零時から午前六時まで」と定義しています。
0時前に閉めるなら届出は要りません。
届出で済ませるか許可を取るかで、工事の内容と用意する資金が変わります。金額の目安はバーの開業資金にまとめました。
接待をするなら届出ではなく許可になる
ここがスナックでいちばん重要な分岐です。
届出でできるのは接待をしない営業に限られます。
届出をした店には、従業者名簿を備える義務と、接客従業者の生年月日等を確認する義務もついてきます。
書く項目と保存期間は風営法の従業者名簿で整理しました。
接待をするなら風俗営業の許可(風営法3条1項)が必要で、それは別の制度です。
「接待」の定義は条文にある
接待の定義は風営法2条3項にあります。
「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」です。
客の隣に座って継続的に話し相手をする、カラオケを一緒に歌う、酒を作って勧める、といった行為が典型として挙げられます。
接待と深夜営業は原則として両立しない
そのうえで風営法13条1項が、風俗営業者は深夜(午前0時から午前6時まで)に営業してはならないと定めています。
都道府県の条例に特別の定めがある地域だけ例外がありますが、原則は禁止です。
| 0時以降も営業したい | 0時前に閉める | |
|---|---|---|
| 接待をする | 原則できない(13条1項) | 風俗営業1号の許可(3条1項) |
| 接待をしない | 深夜酒類提供飲食店営業の届出(33条1項) | 飲食店営業の許可のみ |
「接待もしたいし朝までやりたい」は、この表のとおり制度上できません。
深夜0時以降に客に遊興をさせて酒を出す形としては特定遊興飲食店営業という別の許可もありますが、営業所の広さや営業できる地域の条件が厳しく、通常のスナックの規模では現実的でないことが多い形です。
開業全体の流れはスナック開業の手順にまとめました。
深夜酒類提供飲食店営業の届出は10日前まで
手続きの中身です。
期限は法律ではなく施行規則に書かれています。
風営法施行規則103条3項がこうです。
第一項の届出書は、深夜において当該酒類提供飲食店営業を開始しようとする日の十日前までに提出しなければならない。
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則 第103条3項
| 項目 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 提出先 | 営業所の所在地を管轄する公安委員会(窓口は所轄警察署) | 風営法33条1項 |
| 期限 | 営業を開始しようとする日の10日前まで | 施行規則103条3項 |
| 届出書 | 別記様式第47号 | 施行規則103条1項 |
| 営業の方法を記載した書類 | 別記様式第48号 | 施行規則103条2項 |
| 記載事項 | 氏名または名称・住所(法人は代表者名)/営業所の名称と所在地/営業所の構造及び設備の概要 | 風営法33条1項各号 |
添付書類と変更・廃止の届出
営業所の図面など、ほかの添付書類は都道府県によって運用が違います。
様式そのものは各都道府県警のサイトに載っているので、出す前に所轄で確認してください。
廃業したときや、名称などを変更したときにも届出が要ります(33条2項)。
届出をしないとどうなるか
罰則は2種類あり、金額の桁が20倍違います。
どちらに当たるかは、接待をしていたかどうかで変わります。
| 状況 | 罰則 | 根拠 |
|---|---|---|
| 届出をせずに深夜に酒を出していた | 50万円以下の罰金 | 風営法55条6号 |
| 許可を受けずに接待をしていた | 5年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金、または併科 | 風営法49条1号 |
いちばん重い事故は無許可の風俗営業
届出だけで営業していて、忙しくなったので客の隣についた、という流れで無許可の風俗営業になってしまうのがいちばん重い事故です。
どこまでが接待に当たるかの線引きは個別の判断になるので、迷ったら所轄の警察署か風営法に詳しい行政書士に確認してください。
判断の手がかりになる基準は、警察庁が通達で6つの類型に分けて示しています。
談笑・お酌やカラオケがどちら側になるかは風営法の接待とはで類型ごとに引用しました。
届出をした店にかかる規制
届出を出したら終わりではなく、営業中も守るべき規制があります。
主なものを挙げます。
- 営業所の構造・設備を基準に適合するよう維持する(32条1項)。国家公安委員会規則で技術上の基準が決まっています
- 客引きをしない、客引きのために道路で待たない(32条3項が22条1項1号・2号を準用)
- 午後10時から翌日の午前6時までの間、18歳未満の者を働かせない、客として立ち入らせない(同じく22条1項の準用)
- 都道府県の条例で地域を定めて深夜営業そのものを禁止できる(33条4項)。用途地域の確認が要ります
- 接客従業者に不相当に高額の債務を負担させない、旅券等を取り上げない(33条6項が18条の2を準用)
接客従業者への拘束的行為も禁止されている
最後の項目は、労働基準法16条の賠償予定の禁止や17条の前借金相殺の禁止と重なる領域です。
雇用のときに決めてはいけない取り決めは雇用契約書のテンプレートに整理しました。
届出をした店に24条の管理者の選任義務はありません。準用されている条文と、されていない条文はバー開業に必要な資格で一覧にしました。
届出の「深夜」と労基法の深夜は1時間ずれている
最後に、給与計算をするうえで必ず引っかかる点を書いておきます。
「深夜」という同じ言葉が、法律ごとに違う時間を指しています。
| 法律 | 深夜の時間帯 | 何のための線引きか |
|---|---|---|
| 風営法13条1項 | 午前0時〜午前6時 | 営業できるかどうか |
| 労働基準法37条4項 | 午後10時〜翌午前5時 | 割増賃金を払うかどうか |
| 風営法22条1項(32条3項で準用) | 午後10時〜翌午前6時 | 18歳未満を働かせてよいか |
営業が0時までだから深夜手当は関係ない、ということにはなりません。
22時を過ぎた時点で2割5分以上の割増が必要です。
深夜手当の数え方は深夜手当は何時から何時までと深夜手当の計算方法にまとめました。
18歳未満については、労基法61条の制限と風営法の制限で終わりの時刻が1時間ずれます。
厳しいほうに合わせるのが安全です。
まとめ|深夜酒類提供飲食店営業の届出で外さない点
- 午前0時をまたいで酒を出すなら届出が要る。0時前に閉めるなら不要
- 主食を営業の常態として出す店は対象外(風営法2条13項4号)
- 届出でできるのは接待をしない営業だけ。接待は「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」(2条3項)
- 接待をするなら許可(3条1項)。ただし風俗営業は深夜0時以降営業できない(13条1項)
- 期限は法律でなく施行規則103条3項。営業開始の10日前まで
- 様式は別記様式第47号と第48号。提出先は公安委員会(窓口は所轄警察署)
- 届出をしないと50万円以下の罰金(55条6号)。無許可で接待をすると5年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金(49条1号)
- 都道府県の条例で深夜営業を禁止する地域がある(33条4項)。物件を決める前に確認する
- 風営法の深夜は0時〜6時、労基法の深夜は22時〜翌5時。給与計算は22時から
届出と許可のどちらに当たるかは、風営法の許可4種類で判定できます。
接待をしない届出であれば助成金の不支給要件に当たりません(風俗営業と助成金)。
持ち帰りで酒を売るなら別に免許が要ります(酒類販売業免許)。
届出の店に終了時刻の定めが無い理由はガールズバーの営業時間で扱っています。
この記事は法令と施行規則の条文をもとにした一般的な整理です。
接待に当たるかどうか、用途地域で営業できるか、必要な添付書類は、都道府県や個別の事情で結論が変わります。
営業に直結する判断なので、必ず所轄の警察署または風営法に詳しい行政書士に確認してください。
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- アプリのインストールは不要。LINEの中で完結します
- 他のスタッフの時給や支給額は見えません
- オーナーを含めて2人まで、ずっと無料で使えます
はじめてご利用の店舗は、次の締めが終わるまで無料です。カードの登録は要りません。
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この記事で参照した一次情報
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(2条1項1号・2条3項・2条13項4号・3条1項・13条1項・18条の2・22条1項・32条・33条・49条1号・55条6号)
- 同法施行規則(103条)
- 労働基準法(16条・17条・37条4項・61条)
- 警視庁 深夜における酒類提供飲食店営業(様式一覧)

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