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バー開業は未経験でもできるか|公庫データで見る実際

バー開業と未経験の記事のアイキャッチ。公庫データで見る18.9%の実際を扱う

飲食の現場に立ったことがないまま、バーをやりたいと思っている。

相談すると「まず修業してから」と言われるけれど、何年やれば足りるのかは誰も言ってくれない。

未経験でバーを開ける人は実際にいて、割合でいうと5人に1人です。

日本政策金融公庫の2025年度新規開業実態調査で、斯業経験のある開業者は81.1%でした。

残りの18.9%は、その事業に関連する仕事をしたことがないまま開けています。

この記事では、経験の有無が数字でどう出ているか、未経験の人が代わりに埋めるものは何か、資金と資格の条件は変わるのかを整理します。

読み終えたら、修業に何年かけるかではなく、開ける前に何を用意するかで判断できます。

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目次

バー開業で未経験の人は5人に1人

まず実際の割合から見ます。

公庫の調査には「勤務キャリア」という項目があり、経験の種類ごとに割合と年数が出ています。

ここを読むと、多い経験と少ない経験がはっきり分かれます。

斯業経験がある人は81.1%

斯業経験とは、いまの事業に関連する仕事をした経験のことです。

2025年度調査で、この経験がある開業者は81.1%でした。

裏を返すと18.9%は未経験で開けていて、これは珍しい選択ではありません。

勤務経験そのものは97.6%が持っている

キャリアある人の割合経験年数の平均
勤務経験97.6%21.1年
斯業経験81.1%15.3年
管理職経験66.4%−
日本政策金融公庫「2025年度新規開業実態調査」より。斯業経験は現在の事業に関連する仕事をした経験。

勤務経験のない開業者は2.4%しかいません。

開業直前の職業も「正社員・正職員(管理職)」が41.1%、「正社員・正職員(管理職以外)」が31.0%です。

斯業経験の平均は15.3年

斯業経験がある人の平均は15.3年で、勤務経験の21.1年より6年ほど短くなっています。

途中で業種を変え、その後に長く勤めてから開業する形が多いということです。

開業時の平均年齢は43.9歳で、調査開始以来もっとも高くなっています。

バー開業の未経験者が埋めるのは年数ではない

では、経験がある人は何を根拠に業種を選んでいるのか。

調査は「現在の事業に決めた理由」も聞いています。

ここに、未経験の人が何を用意すればいいかの答えが入っています。

事業を決めた理由の最多は経験や技能

現在の事業に決めた理由は「これまでの仕事の経験や技能を生かせるから」が43.8%で最多でした。

つまり多数派は、持っている技能に合わせて業種のほうを選んでいます。

未経験でバーを選ぶのは、この順番が逆になっている状態です。

開業動機の最多は「自由に仕事がしたかった」

開業動機は「自由に仕事がしたかった」が59.7%、「収入を増やしたかった」が44.9%です。

離職理由は「自らの意思による退職」が89.0%を占めます。

追い込まれて開業した人はほとんどおらず、準備の時間は自分で決められた人が大半です。

未経験なら技能の代わりを用意する

技能で選んでいないなら、別のところで説明できる必要があります。

公庫は融資の判断について、金額の要件ではなく計画の中身を見ると書いています。

席数、想定の客単価、営業時間、誰が立つか。

この4つが数字で言えるかどうかが、経験年数の代わりになります。

バー開業は未経験でも資金の条件は変わらない

お金の側に「未経験だから」という区別はありません。

公庫の制度にも、経験年数を要件にした記載はありません。

用意する額の目安は、経験のある人と同じところから考えます。

自己資金は平均で2割程度

公庫のよくあるご質問は「自己資金は重要な要素のひとつですが、それ以上に創業計画全体がしっかりしているかが重要になります」と書いています。

同じページに「創業資金総額に占める自己資金の割合は平均で2割程度」とあり、実態調査でも279万円・22.9%です。

経験の有無で割合が変わるという記載はありません。

開業費用の中央値は600万円

開業費用は平均975万円、中央値600万円です。

資金調達額の平均は1,219万円で、開業費用より244万円多くなっています。

この差が開けてからの運転資金です。

内訳の組み方はバーの開業資金にまとめました。

バー開業の未経験でいちばん効くのは数字の管理

経験のある人でも外すところがあります。

調査の「開業後の状況」を見ると、そこがはっきり出ています。

未経験の人が先に知っておくと差が縮まる部分です。

予想した月商に届かない人が4割いる

予想月商達成率は「125%以上」が34.2%、「100〜125%未満」が24.5%で、約6割が予想を達成しています。

残りの4割は、自分で立てた月商に届いていません。

斯業経験のある人が8割を占める調査でこの結果なので、経験は予想の精度を保証しません。

採算が黒字基調の店は67.0%

現在の採算状況は黒字基調が67.0%、赤字基調が33.0%です。

月商は「100万円未満」が39.5%、「100万〜500万円未満」が44.2%でした。

開業時の平均従業者数は2.8人で、3年連続で3人を下回っています。

1週間50時間以上働く人が49.8%

1週間当たりの労働時間は「50時間以上」が49.8%を占めます。

自分が立つ時間が長いほど、人件費は抑えられますが、自分の取り分の計算は見えにくくなります。

オーナーの取り分をどこで見るかはバー経営の年収で整理しました。

バー開業は未経験でも資格の条件が変わらない

手続きの側にも経験の要件はありません。

資格は講習で取れるものだけです。

ここは未経験でも不利になりません。

資格は2つで経験年数は問われない

食品衛生責任者は1日程度の講習で取れ、防火管理者は収容人員30人から必要になります。

どちらも実務経験を条件にしていません。

取る順番と要否の判定はバー開業に必要な資格にまとめました。

許可か届出かは営業時間で決まる

接待をせず午前0時を越えて酒を出すなら、風営法33条1項の届出だけで営業できます。

接待をするなら3条1項の許可になり、午前0時から午前6時までは営業できません。

未経験ほど、まず届出だけで回る形から始めるほうが手続きは軽くなります。

どちらを選ぶかで工事の内容まで変わるので、判断の順番はバーの開業に要る許可と届出にまとめました。

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まとめ|バー開業を未経験で決めるときの順番

  1. 未経験は18.9%:斯業経験のある開業者は81.1%。5人に1人は関連経験なしで開けている
  2. 勤務経験はほぼ全員が持つ:97.6%・平均21.1年。開業時の平均年齢は43.9歳
  3. 多数派は技能に合わせて業種を選ぶ:事業の決定理由の最多は「経験や技能を生かせるから」43.8%
  4. 技能の代わりは数字:席数・客単価・営業時間・誰が立つかを言えるようにする
  5. 資金と資格の条件は同じ:自己資金は平均2割程度、資格は講習で取れる2つだけ
  6. 経験があっても4割は月商予想に届かない:据置期間はその前提で使う

未経験であることは、統計の上では珍しい選択ではありませんでした。

ただし経験のある8割の人でも、4割は自分の立てた月商に届いていません。

差を埋めるのは修業の年数ではなく、開ける前に置いた数字と、開けてから毎月それを確かめる手間のほうです。

なおこの調査は公庫の融資を受けて開業した事業者の回答で、業種別の内訳は公表されていません。

自店の計画は顧問税理士と詰めてください。

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