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風営法で18歳未満は雇えるか|接待の禁止と年齢確認の義務

風営法で18歳未満は雇えるか、接待の禁止と年齢確認の義務を解説する記事のアイキャッチ

身分証を見ないまま「20歳です」の自己申告で入れてしまった。

人手が足りない時期ほど、この確認が飛びます。

条文は「18歳未満と知らなかった」という言い訳を正面から封じています。

18歳未満に接待をさせることは時間帯を問わず禁止で、接待をしない仕事でも22時から翌6時までは客に接する業務に就かせられません。

逃れられるのは過失がなかったときだけなので、書類で年齢を確かめたかどうかがそのまま結論を分けます。

この記事では、風営法が禁じている行為、許可のない飲食店にも及ぶ範囲、罰則、そして労働基準法の側の制限を条文で整理します。

読み終えたら、採用時にどの書類をどう残せば店を守れるのかが決まります。

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目次

風営法が18歳未満に禁じている4つ

まず禁止行為の全体像を押さえます。

根拠は風営法22条1項で、6つの号のうち4つが年齢に関するものです。

号ごとに禁止の範囲が違うので、分けて読んでください。

深夜割増の22時から翌5時、風営法13条1項の午前0時から6時の営業禁止、18歳未満を客に接する業務に就けない22時から翌6時を、18時から翌9時までの1本の目盛りに並べた図
18歳未満の制限は22時から翌6時。深夜割増の終わりとは1時間ずれています。

3号|接待は時間帯を問わず禁止

三 営業所で、十八歳未満の者に客の接待をさせること。

風営法 第22条1項3号

この号には時間の限定がありません。

昼の時間帯であっても、18歳未満に接待をさせることはできません。

何をすると接待に当たるかは、警察庁の解釈運用基準が6類型で示しています。

客の隣に座って話し相手を続けることも、客と一緒に歌うことも接待なので、風営法の接待とはで線引きを確かめてください。

4号|22時から翌6時は客に接する業務も禁止

四 営業所で午後十時から翌日の午前六時までの時間において十八歳未満の者を客に接する業務に従事させること。

風営法 第22条1項4号

こちらは接待に限らず「客に接する業務」全般です。

ホール、配膳、レジなど、客と接する仕事はこの時間帯に任せられません。

終わりが翌6時である点に注意してください。

あとで見るとおり、労働基準法の深夜業は翌5時までなので、1時間ずれています。

5号・6号|客としての立入りと、20歳未満への酒・たばこ

働かせる側だけでなく、迎える側にも制限があります。

5号は18歳未満の者を営業所に客として立ち入らせること、6号は20歳未満の者に酒類またはたばこを提供することを禁じています。

5号には時間の限定がないので、風俗営業の店には18歳未満を客として入れられません。

号禁止されること時間帯
3号18歳未満に客の接待をさせる制限なし
4号18歳未満を客に接する業務に従事させる22時〜翌6時
5号18歳未満を客として立ち入らせる制限なし
6号20歳未満に酒類・たばこを提供する制限なし

18歳未満の制限は許可のない飲食店にも準用される

「うちは接待をしないから22条は関係ない」と考えるのは危険です。

法32条3項が、飲食店営業を営む者にこの規定を準用しています。

届出だけの店も、許可も届出もない普通の飲食店も対象です。

法32条3項が22条1項を準用している

第二十二条第一項(第三号を除く。)の規定は、飲食店営業を営む者について準用する。

風営法 第32条3項

3号だけが準用から外れています。

接待をすること自体が風俗営業に当たるので、接待をしない飲食店では3号を準用する意味がないからです。

逆にいえば、4号は準用されるので、普通のバーや居酒屋でも22時以降に18歳未満を客に接する業務へ就かせることはできません。

なお条文は読み替えを定めていて、少年の健全な育成に及ぼす影響が少ないものとして国家公安委員会規則で定める営業は4号の対象から除かれます。

自分の店が除外に当たるかは所轄の警察署で確認してください。

深夜酒類提供の届出をした店も同じ

深夜に酒を出す店は、そもそも深夜の営業を前提にしています。

営業時間の大半が22時から翌6時に入るので、18歳未満を採用しても任せられる仕事がほとんど残りません。

届出でできることの範囲は深夜酒類提供飲食店営業の届出にまとめています。

「18歳未満と知らなかった」は通らない

ここがこの記事でいちばん重要なところです。

年齢を偽られた場合はどうなるのか、という問いに条文が直接答えています。

結論は、原則として言い訳にならない、です。

法51条2項が正面から封じている

第二十二条第一項第三号若しくは第四号(第三十一条の二十三及び第三十二条第三項において準用する場合を含む。)……に掲げる行為をした者は、当該十八歳未満の者の年齢を知らないことを理由として、前項の規定による処罰を免れることができない。ただし、過失のないときは、この限りでない。

風営法 第51条2項

知らなかったことは理由にならない、とはっきり書かれています。

残された出口は「過失のないとき」だけです。

しかもこの規定は32条3項の準用にも及ぶので、許可のない飲食店でも同じ扱いになります。

「過失がない」を作れるのは書類の確認だけ

では、どうすれば過失がなかったといえるのか。

自己申告を信じただけでは足りません。

風営法は別のところで、接客従業者の生年月日を書類で確認する義務を定めています(法36条の2第1項)。

この確認をやっていたかどうかが、そのまま過失の有無の材料になります。

確認した記録は従業者名簿に残し、書類の写しを添付して保存します。

やり方は風営法の従業者名簿にまとめました。

運転免許証のコピーでは足りない

確認に使える書類は内閣府令26条で限定されています。

日本人の場合、住民票記載事項証明書か一般旅券、またはそれ以外で生年月日と本籍地都道府県名の記載があるものです。

運転免許証もマイナンバーカードも券面に本籍が載っていないため、この要件を満たしません。

年齢確認のつもりで免許証のコピーだけ取っている店は、確認の方法そのものを見直す必要があります。

風営法の罰則は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金

罰則の重さも確認しておきます。

年齢に関する違反は、風営法の中でも重い部類に入ります。

根拠は法51条1項4号です。

3号から6号までがまとめて対象

次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
四 第二十二条第一項第三号の規定又は同項第四号から第六号まで(これらの規定を第三十一条の二十三及び第三十二条第三項において準用する場合を含む。)の規定に違反したとき。

風営法 第51条

括弧書きのとおり、準用される場合も同じ罰則です。

他の義務と並べると、位置づけが見えます。

違反罰則
無許可営業(3条1項)5年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金(49条1号)
18歳未満の接待・深夜の接客業務など(22条1項3〜6号)1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(51条1項4号)
従業者名簿の備付け・記載(36条)100万円以下の罰金(54条3号)
管理者の選任(24条1項)50万円以下の罰金(55条5号)

名簿や管理者と違い、こちらは拘禁刑が並んでいます。

18歳未満は労働基準法の側がさらに細かい

風営法をクリアしても、それで終わりではありません。

労働基準法には年少者専用の章があり、時間も書類も別に決まっています。

風営法より制限が細かいので、こちらのほうが先に引っかかることもあります。

61条|深夜業は22時から翌5時まで禁止

使用者は、満十八才に満たない者を午後十時から午前五時までの間において使用してはならない。ただし、交替制によつて使用する満十六才以上の男性については、この限りでない。

労働基準法 第61条1項

風営法22条1項4号が翌6時までなのに対し、労基法は翌5時までです。

労基法のほうは「客に接する業務」に限らず、あらゆる労働が対象になります。

つまり5時から6時までの1時間は、労基法上は使えても風営法上は客に接する業務に就かせられない、という状態です。

この1時間のずれは深夜手当は何時からかでも扱っています。

60条|36協定があっても残業させられない

見落とされやすいのが労働時間の扱いです。

第三十二条の二から第三十二条の五まで、第三十六条、第四十条及び第四十一条の二の規定は、満十八才に満たない者については、これを適用しない。

労働基準法 第60条1項

36条とは、いわゆる36協定の条文です。

それが適用されないので、36協定を結んでいても18歳未満に時間外労働や休日労働はさせられません。

変形労働時間制も使えないため、1日8時間・週40時間が動かせない上限になります。

57条|戸籍証明書を事業場に備え付ける

書類の義務も別にあります。

使用者は、満十八才に満たない者について、その年齢を証明する戸籍証明書を事業場に備え付けなければならない。

労働基準法 第57条1項

住民票ではなく戸籍証明書と書かれている点に注意してください。

風営法36条の2の確認とは別の義務なので、両方そろえる必要があります。

56条|そもそも使えない年齢がある

年齢の下限も決まっています。

労基法56条1項は、児童が満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまで使用してはならないとしています。

中学生は原則として雇えない、ということです。

労基法側の罰則は、56条違反が1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金(118条1項)、61条・62条違反が6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金(119条1号)です。

18歳未満の違反で罰金を受けると5年間は許可も管理者もない

最後に、その先で起きることを書いておきます。

労基法違反の罰金は、払って終わりではありません。

風営法の欠格事由に直結しています。

法4条1項2号トが労基法の罰条を引いている

許可の欠格事由を定めた法4条1項2号は、対象となる罪をイからカまで並べています。

そのトが、労基法117条、118条1項(6条・56条に係る部分)、119条1号(61条・62条に係る部分)の罪です。

年少者の深夜業で罰金を受けると、その執行が終わった日から5年を経過するまで、風俗営業の許可を受けられません。

法24条2項2号がこの欠格事由を引いているので、同じ期間は管理者にもなれません。

管理者の選任と欠格の関係は風俗営業の管理者にまとめました。

まとめ|風営法と18歳未満で外さない点

この記事の要点をまとめます。

  • 接待は時間帯を問わず禁止(22条1項3号)。昼でもさせられない
  • 22時から翌6時は客に接する業務も禁止(4号)。接待に限らない
  • 許可のない飲食店にも準用される(32条3項)。3号だけが準用から外れている
  • 知らなかったは通らない(51条2項)。逃れられるのは過失がなかったときだけ
  • 過失がないと言えるのは書類で確認していた場合。運転免許証は本籍の記載がなく使えない
  • 罰則は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(51条1項4号)。準用の場合も同じ
  • 労基法はさらに厳しい。深夜は翌5時まで、36協定があっても残業不可、戸籍証明書の備付けが必要
  • 罰金を受けると5年。許可も管理者も5年間は不可(法4条1項2号ト・24条2項2号)

採用の場面で先にやることは1つで、書類で生年月日を確かめ、その記録を残すことです。

18歳未満の制限は届出だけの店にもかかります。区分の違いは風営法の許可4種類にまとめています。

年齢の確認記録は従業者名簿に書けます。様式は従業者名簿テンプレートにあります。

店内を喫煙可にすると20歳未満が立ち入れなくなります(既存特定飲食提供施設の3要件)。

22時・翌6時・翌5時の使い分けはガールズバーの営業時間で表にしています。

この記事は条文をもとにした一般的な整理です。

準用の除外に当たるかや、個別の業務が「客に接する業務」に当たるかは判断が分かれることがあるため、所轄の警察署(生活安全課)や労働基準監督署に確認してください。

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