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バーと風営法|営業中に許可が要る状態になる5つの線

バーが営業中に風営法の許可が要る状態になる5つの線を示すアイキャッチ

許可は要らないと聞いて開けたバーなのに、あとから風営法の話が出てきて不安になる。

実はそれ、店の側が途中で線をまたいでいることがあります。

バーは開けた時点では普通の飲食店で、風営法にかかる状態は営業しているうちに後から作られます。

照明を落とした、席を仕切った、ゲーム機を入れた、深夜にイベントをやった、スタッフをカウンターから出した。

この5つが、許可が要る状態に変わる線です。

この記事では、それぞれの線がどの条文のどの数値で引かれているかを整理します。

読み終えたら、いまの自分の店がどの線に近いのかを、条文の数値で確かめられます。

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目次

バーが風営法にかかるのは設備と中身で決まる

「バー」という言葉は風営法の条文に3か所だけ出てきます。

どれも「バーだから風俗営業だ」という意味ではありません。

普通の飲食店であっても、ある条件を満たせば許可の対象になる、という向きの規定です。

開業のときに見る条文と、営業中に見る条文は違う

開業時は「どのルートで届出か許可か」を決めます。

そこはバーの開業で扱いました。

この記事が見るのは、届出だけで始めた店が営業中に線を越える場面です。

越えたことに気づかないまま営業を続けると、無許可営業になります。

5つの線を一覧にする

やったことかかる規定必要になるもの
照明を落とした2条1項2号(10ルクス以下)風俗営業の許可
席を仕切った2条1項3号(見通し困難・5㎡以下)風俗営業の許可
ゲーム機を入れた2条1項5号(遊技設備)風俗営業の許可
深夜にイベントをやった31条の22(特定遊興飲食店営業)特定遊興の許可
スタッフが客の隣に座った2条1項1号(接待)風俗営業の許可

無許可営業は5年以下の拘禁刑又は1,000万円以下の罰金で、法人には3億円以下が科されます。

線1と線2|バーの照明と客席が風営法の2号・3号に触れる

条文に「バー」が名指しで出てくるのがこの2つです。

接待をする1号には「バー」という語は入っていません。

入っているのは、照度と客席の広さで区切る号のほうです。

二 喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、……営業所内の照度を十ルクス以下として営むもの

三 喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、他から見通すことが困難であり、かつ、その広さが五平方メートル以下である客席を設けて営むもの

風営法2条1項2号・3号(抜粋)

実際にこのルートで許可を取る店は全国で20件

警察庁の集計では、令和7年末の許可数は2号が19件、3号が1件です。

行政処分も令和3年から令和7年まで5年連続で0件でした。

つまりこのルートは、取るためではなく踏まないために見る条文です。

ムードのために照明を絞る、ボックス席をカーテンで仕切る、という改装が該当しないかを先に確かめます。

照度は測り方が決まっている

10ルクスは体感ではなく、施行規則が定める方法で計った数値です。

施行規則30条は、食卓がある営業所ならその上面、椅子がある客席なら座面の高さにおける水平面を測るとしています。

許可を取った後は逆に、施行規則31条の数値を下回らないようにする義務がかかります。

5ルクス・10ルクス・20ルクスの使い分けは風営法の照度にまとめています。

届出だけの店にも構造の基準があり、そちらは20ルクスです。

線3|バーにゲーム機を置くと風営法の5号になる

ここがいちばん誤解されています。

2条1項5号は、ゲームセンターだけを想定した条文ではありません。

解釈運用基準は、飲食店営業の店舗も5号の「店舗」に含まれると明記しています。

「店舗」とは、社会通念上一つの営業の単位と言い得る程度に外形的に独立した施設をいい、ゲームセンター、ゲーム喫茶のように法第2条第1項第5号の営業用に設けられた店舗である場合はもとより、飲食店営業、小売業等の営業用に設けられた店舗も、同号の「店舗」に含まれる。

解釈運用基準 第4の2(3)ア

対象になる遊技設備は施行規則3条の5つ

何でも対象になるわけではなく、限定列挙されています。

  • 1号:スロットマシンその他、遊技の結果がメダル等の数量により表示される構造のもの
  • 2号:テレビゲーム機(勝敗を争うもの、又は結果が数字・文字・記号で表示されるもの)
  • 3号:フリッパーゲーム機(ピンボール)
  • 4号:その他、遊技の結果が数字・文字・記号又は物品により表示される遊技設備
  • 5号:ルーレット台、トランプ及びトランプ台その他これらに類する遊技の用に供する遊技設備

ポーカーやカジノを売りにするバーは、5号に真正面から当たります。

基準は5号を「賭博に用いられる可能性がある花札、サイコロ等を使用して遊技をさせ、優劣を争わせるための遊技設備」としています。

床面積の10%を超えなければ許可は要らない

原則どおりなら、1台置いただけで許可が要ることになります。

そこで基準は、割合で線を引いています。

遊技の用に供される部分の床面積が、その店舗の1フロアの客の用に供される部分の床面積の10%を超えない場合は、当面、許可を要しない扱いとされています。

計算方法まで書かれているのが、この基準の特徴です。

  • 面積:遊技設備が直接占める面積の、おおむね3倍として計算する
  • 下限:1台の3倍が1.5平方メートルに満たないときは、1.5平方メートルとして計算する
  • 分母:客の用に供される部分。カウンターやレジの内側、完全に区画された洗面所は含まない
  • フロア:雑居ビルに複数店舗があるときは、フロア全体ではなく当該店舗内のみ

18平方メートルの店なら2台で越える

客席18平方メートルのバーで計算します。

台数計算上の床面積割合結論
1台1.5㎡(3倍が1.5㎡未満のため下限を適用)8.3%10%以内
2台3.0㎡16.7%超える

台を増やすより先に、分母である客席の広さを確認することになります。

なお2条1項4号に当たる遊技機(ぱちんこ遊技機や回胴式遊技機)を置く場合は、この話ではなく4号の許可の問題になります。

ダーツとビリヤードは扱いが違う

ダーツは結果が数字で表示されるので、条文の文言だけを見れば4号に当たりそうに見えます。

ただし基準は、運動競技又はその練習に供されている実態が認められる遊技設備について、別の扱いを置いています。

射幸心をそそるおそれのある遊技に用いられないための必要な措置が適切に講じられていると認められる場合は、当面、規制の対象としない扱いです。

「必要な措置」が前提になっているので、賭けの対象にしないことが条件になります。

ほかに対象から外れるものとして、基準は次を挙げています。

  • 身体の力を測るもの:投げた球のスピードを計測するもの、パンチの強さを計測するもの
  • 占い機:同一の条件で繰り返し遊技しても結果に変わりがないもの
  • 疑似体験型:運転席や操縦席が設けられたドライブゲーム、飛行機操縦ゲーム
  • 機械式等のモグラ叩き機:当面、規制の対象としない扱い

線4|深夜にイベントをやるバーは別の許可が要る

4つめの線は、許可の種類がそもそも違います。

特定遊興飲食店営業は、深夜・遊興・飲酒の3要素を全部満たす営業です。

設備ではなく、その夜に店が何をしたかで決まります。

分かれ目は店側の積極的な行為

基準は、規制対象になるのは営業者側の積極的な行為によって客に遊び興じさせる場合だとしています。

スポーツ映像を単に流すのは遊興に当たりませんが、客に呼び掛けて応援に参加させると当たります。

ゲーム大会に不特定の客を参加させる行為も同じです。

判定の細かい対応表はガールズバーの営業時間に載せています。

1晩だけなら継続性が認められないことがある

基準は、関心の高い試合のときに反復継続の意思なく短時間だけ遊興させた場合、継続性は認められないとしています。

ただし2晩以上にわたって行われる催しには継続性が認められます。

週末に2日続けてイベントを組む形は、ここに触れます。

全国の特定遊興飲食店営業の許可数は令和7年末で592件しかありません。

線5|カウンターから出たらバーも1号になる

5つめは人の動きです。

設備も時間も変えていないのに、許可が要る状態になります。

そして5つのうち、これがいちばん起きやすい線です。

速やかに立ち去るかどうかで分かれる

解釈運用基準は、水割りを作って速やかに立ち去る行為を接待に当たらないとしています。

一方で、特定少数の客の近くにはべり、継続して談笑する行為は接待です。

客と一緒に歌うデュエットも接待に当たります。

6類型の対応は風営法の接待とはで扱っています。

接待をすると営業時間が0時までになる

1号の許可を取ると、13条1項で午前0時から午前6時は営業できません。

届出だけで朝まで開けていた店にとっては、営業時間が半分になる変更です。

0時以降も同じ店を使う方法はスナックの営業時間で3条件をまとめました。

接待をするかどうかは、その日から深夜割増の量も変えます。

改装したら承認か届出が要る

すでに許可を持っている店が構造や設備を変えるときは、9条1項の承認が要ります。

軽微な変更なら9条3項の届出で足ります。

基準は、遊技設備の増設や交替を軽微な変更の側に並べています。

どちらに当たるかは風営法の変更承認にまとめています。

まとめ:バーと風営法で外さない点

  • 条文の「バー」は3か所:2条1項2号・3号と、酒類提供飲食店営業を定める2条13項4号
  • 照度と客席:10ルクス以下は2号、見通し困難で5㎡以下の客席は3号。全国で19件と1件しかない
  • 遊技設備:飲食店の店舗も5号の「店舗」に含まれる。対象は施行規則3条の5類型
  • 10%ルール:遊技の用に供する床面積が客席の10%以内なら当面許可を要しない扱い
  • 面積の出し方:設備が直接占める面積のおおむね3倍。1台で1.5㎡に満たなければ1.5㎡
  • ダーツ・ビリヤード:運動競技の実態と必要な措置があれば当面は対象外
  • 深夜のイベント:店が仕掛ければ遊興。2晩以上は継続性が認められる
  • 接待:速やかに立ち去るかどうか。1号になると0時で閉めることになる

5つのうち4つは、改装や備品の追加という「良かれと思った工夫」から始まります。

入れる前に床面積と照度を測っておくほうが、後から撤去するより安く済みます。

許可の形が決まったあとの採算はバー経営が難しい理由にまとめました。

この記事は条文と警察庁の公表資料をもとにした一般的な整理です。

10%の扱いや運動競技の例外は「当面の扱い」とされているものなので、具体的な判断は所轄の警察署に確認してください。

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