風営法が変わったと聞いたものの、自分の店に関係する部分がどこか分からない。
改正の解説は多くても、条文番号まで落とした説明が少ないところです。
2025年の風営法改正は4つの柱でできていて、施行日は2段階に分かれています。
改正法は令和7年5月28日法律第45号です。
原則は公布の日から1月を経過した日に施行されましたが、欠格事由の追加だけは6月を経過した日まで遅れています。
そして新しく入った規定のうち、罰則があるものと無いものがあります。
この記事では4つの柱を条文番号まで落とし、どれが自分の店にかかるのかを整理します。
読み終えたら、改正のうち自分の店が対応すべき項目だけを取り出せます。
紙とExcelの給与計算を、LINEだけで終わらせる
シメルンは、スナック・ガールズバー・小さなバーのための給与計算サービスです。スタッフが出勤と退勤の時刻をLINEから入れて、オーナーが確認して確定すると、月末に支給額が出ます。日をまたぐ勤務と深夜割増の計算は、こちらで持ちます。
- アプリのインストールは不要。LINEの中で完結します
- 他のスタッフの時給や支給額は見えません
- オーナーを含めて2人まで、ずっと無料で使えます
はじめてご利用の店舗は、次の締めが終わるまで無料です。カードの登録は要りません。
先に中身を見たい方は シメルンの紹介ページ へ
風営法改正2025の全体像は4つの柱
警察庁が公表している改正法の概要は、変更点を4つに分けて示しています。
背景として挙げられているのは、ホストクラブで売掛金の名目で多額の債務を負わされた女性客が、その支払のために売春や性風俗店での稼働を求められる事案です。
対策がその流れの各段階に置かれている、と読むと構造がつかめます。
| 柱 | 中身 | 条文 | 罰則 |
|---|---|---|---|
| 1 | 接待飲食営業の遵守事項・禁止行為の追加 | 18条の3/22条の2 | 18条の3はなし/22条の2はあり |
| 2 | 性風俗店によるスカウトバックの禁止 | 28条13項 | あり |
| 3 | 無許可営業等に対する罰則の強化 | 49条/57条1項1号 | ― |
| 4 | 風俗営業からの不適格者の排除 | 4条1項7号・8号・13号ほか | ― |
施行日は2段階に分かれている
改正法の附則1条が施行期日を定めています。
本則は「公布の日から起算して一月を経過した日」です。
ただし書で、4条1項の改正規定(2号イを除く)、24条2項2号の改正規定、31条の23の表の一部だけが「公布の日から起算して六月を経過した日」とされました。
つまり4つめの柱である欠格事由の追加と、管理者の欠格の部分だけが半年遅れで動き出したことになります。
解説記事を読むときは、どの部分の話をしているのかを意識してください。
風営法改正の1つめ|接待飲食営業の遵守事項と禁止行為
1つめの柱は、接待飲食営業に対する規制の追加です。
ここが多くの店に直接かかる部分です。
ただし条文は2つに分かれていて、性格がまったく違います。
18条の3は遵守事項で罰則がない
18条の3は、2条1項1号の営業を営む風俗営業者がしてはならない行為を3つ挙げています。
- 1号:17条に規定する料金について、事実に相違する説明や客を誤認させる説明をすること
- 2号:客が接客従業者と互いに好意を抱いていると誤信しているのに乗じ、関係が破綻する旨や従業者が不利益を受ける旨を告げて困惑させ、遊興・飲食をさせること
- 3号:客が注文などの意思表示をする前に遊興・飲食を提供して困惑させ、それによって遊興・飲食をさせること
罰則条文である49条から56条を全部読んでも、18条の3は出てきません。
警察庁の概要でも、この3つは「遵守事項」として書かれていて、罰則ありとは書かれていません。
効くのは25条の指示と26条の営業停止・許可取消しです(風営法違反の一覧)。
22条の2は禁止行為で罰則がある
22条の2も2条1項1号の営業が対象ですが、こちらには罰則があります。
- 1号:注文や料金の支払等をさせる目的で、客を威迫して困惑させること
- 2号:客に威迫・誘惑して、売春、性風俗店での稼働、AV出演、海外売春などによって金銭等を得ることを要求すること
53条2号がこれを受けていて、6月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です。
同じ改正で入った2つの条文が、片方は行政処分、片方は刑事罰と分かれている点は押さえておいてください。
どちらも「接待をする店」だけが対象
18条の3も22条の2も、条文の主語は2条1項1号の営業を営む者です。
照度10ルクス以下の2号営業や、届出だけの深夜酒類提供飲食店営業には、この2つはかかりません。
自分の店が1号に当たるかどうかは風営法の接待にあたる行為と風営法の許可4種類で確認できます。
風営法改正の2つめ|スカウトバックの禁止
2つめの柱がスカウトバックの禁止です。
報道で大きく取り上げられた部分ですが、条文の対象はかなり限定されています。
ここを取り違えている解説があるので、条文で確認します。
28条13項の主語は性風俗店
第二条第六項第一号又は第二号の営業を営む者は、営業所で異性の客に接触する役務を提供する業務に従事しようとする者の紹介を受けた場合において、当該紹介をした者又は第三者に対し、当該紹介の対価として金銭その他の財産上の利益を提供し、又は第三者をして提供させてはならない。
風営法28条13項
主語は2条6項1号・2号の営業、つまり店舗型性風俗特殊営業のうち個室で異性の客に接触する役務を提供するものです。
31条の3第1項で2条7項1号の営業(無店舗型の派遣型)にも準用されます。
罰則は53条7号で、6月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です。
接待飲食等営業に入ったのは別の義務
キャバクラやホストクラブなどの接待飲食等営業に入ったのは、18条の2第2項です。
接客業務受託営業を営む者が35条の3違反や売春防止法9条・10条・12条の罪に当たる行為をしている疑いがあると認められるときは、その従業者を客に接する業務に従事させないための必要な措置をとる義務があります。
紹介料の支払そのものを禁じる形ではなく、受け入れ側に防止措置を求める形です。
この違いはスカウトバックと風営法で詳しく整理しています。
風営法改正の3つめ|無許可営業の罰則強化
3つめは罰則の引き上げです。
金額の桁が変わっているので、改正前の解説がそのまま残っていると実態と合いません。
| 改正前 | 改正後 | |
|---|---|---|
| 無許可営業等の拘禁刑 | 2年以下 | 5年以下 |
| 無許可営業等の罰金 | 200万円以下 | 1,000万円以下 |
| 両罰規定による法人の罰金 | 200万円以下 | 3億円以下 |
法人の3億円以下は57条1項1号です。
同じ両罰規定でも、50条・51条1項・53条から56条までは「各本条の罰金刑」のままなので、49条だけが別格の扱いになっています。
49条には無許可営業のほか、不正の手段による許可取得、名義貸し、公安委員会の処分違反が並びます。
風営法改正の4つめ|不適格者の排除
4つめは許可の欠格事由の追加です。
処分を逃れるための行動や、名義だけ別にする形を塞ぐ内容になっています。
この部分だけが施行の遅い側です。
追加された3つの類型
- 4条1項7号:親会社等など密接な関係を有する法人が許可を取り消され、5年を経過していない場合
- 4条1項8号:聴聞の公示後または立入りが行われた後に許可証を返納した者(廃止に相当な理由がある者を除く)
- 4条1項13号:暴力的不法行為等を行うおそれがある者(3号該当者)が、出資・融資・取引を通じて事業活動に支配的な影響力を有する者
8号がいわゆる処分逃れへの対応です。
立入検査を受けたあとに自分から廃業して許可証を返しても、そこから5年間は許可を受けられません。
公安委員会は立入りから10日以内に聴聞決定予定日を通知する仕組みになっていて、その日までの返納が対象です。
管理者の欠格にも同じ改正が及んだ
附則が名指ししているもうひとつが24条2項2号です。
管理者になれない人の範囲は4条1項の号を引く形になっているため、欠格事由が増えると管理者の側にも及びます。
誰が管理者になれるかは風俗営業の管理者で条文ごとに整理しています。
風営法改正に合わせて解釈運用基準も新しくなった
条文だけでなく、警察庁の解釈運用基準も差し替わっています。
接待に当たるかどうかの6類型や、立入りの範囲の考え方はこちらに書かれています。
実務で効くのは、むしろこの通達のほうです。
現行は令和8年7月1日付
現在の解釈運用基準は令和8年7月1日付のものです。
それ以前の通達は廃止されているため、古い版を引いている解説は内容がずれている可能性があります。
風営法の運用を調べるときは、まず基準の日付を確認してください。
本文は警察庁のサイトでPDFとして公開されています(この記事の末尾にリンクを置いています)。
まとめ|風営法改正で外さない点
最後に要点を並べます。
- 改正法は令和7年5月28日法律第45号。柱は4つ
- 施行は2段階。原則は公布から1月後、欠格事由(4条1項)と管理者(24条2項2号)だけ6月後
- 18条の3は罰則なし、22条の2は53条2号で刑事罰。同じ改正でも扱いが違う
- どちらも2条1項1号(接待をする店)だけが対象。届出だけの店にはかからない
- スカウトバック禁止(28条13項)の主語は性風俗店。接待飲食等営業に入ったのは18条の2第2項の防止措置義務
- 無許可営業は5年以下・1,000万円以下、法人3億円以下へ引き上げ
- 立入り後の許可証返納も5年の欠格(4条1項8号)
- 解釈運用基準の現行版は令和8年7月1日付
どの規定が自分の店にかかるかは、まず1号営業かどうかで大きく分かれます。
違反ごとの罰則と行政処分の関係は風営法違反の一覧にまとめています。
改正後の解釈運用基準で広告の扱いも変わりました(風営法の広告規制)。
2026年10月のカスハラ義務化はスナックのカスハラ対策にまとめました。
この記事は条文と警察庁の公表資料をもとにした一般的な整理です。
個別の行為が新しい規定に当たるかどうかは事情によって結論が変わるため、所轄の警察署(生活安全課)や風営法に詳しい専門家に確認してください。
紙とExcelの給与計算を、LINEだけで終わらせる
シメルンは、スナック・ガールズバー・小さなバーのための給与計算サービスです。スタッフが出勤と退勤の時刻をLINEから入れて、オーナーが確認して確定すると、月末に支給額が出ます。日をまたぐ勤務と深夜割増の計算は、こちらで持ちます。
- アプリのインストールは不要。LINEの中で完結します
- 他のスタッフの時給や支給額は見えません
- オーナーを含めて2人まで、ずっと無料で使えます
はじめてご利用の店舗は、次の締めが終わるまで無料です。カードの登録は要りません。
先に中身を見たい方は シメルンの紹介ページ へ
この記事で参照した一次情報
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(4条1項・18条の2・18条の3・22条の2・24条2項・28条13項・31条の3・49条・53条・57条、および令和7年法律第45号による改正附則1条)
- 警察庁 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律(概要)
- 警察庁 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準について(令和8年7月1日付)

コメント