メイドカフェやコンセプトカフェは飲食店だから、風営法とは無関係だと思っていた。
業態の名前で判断していると、ここで足をすくわれます。
コンカフェに許可が要るかどうかは、業態の名前ではなく「接待」をしているかで決まります。
キャストが特定の客の近くにはべって話し相手を続ければ、コンセプトが何であれ接待です。
チェキやカードゲームを客と一緒にやる形も、判断の対象になります。
さらに、接待をしていなくても照明や客席の作りしだいで許可が要る類型があります。
この記事では、警察庁の解釈運用基準に沿って、コンカフェでよくある行為を1つずつ当てはめます。
読み終えたら、いま店でやっているサービスのどれが接待に当たるかを仕分けられます。
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コンカフェに風営法の許可が要るかは接待で決まる
まず前提を揃えます。
風営法には「コンカフェ」という区分はありません。
あるのは営業の中身による区分だけです。
2条1項1号に当たれば許可が必要
一 キヤバレー、待合、料理店、カフエーその他設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業
風営法 第2条1項1号
条文には「カフエー」という語も入っています。
店名がカフェでも、接待をして飲食させていれば1号の風俗営業です。
その場合は営業所ごとに公安委員会の許可が要ります(法3条1項)。
接待の定義は一文だけ
接待は法2条3項で「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」と定義されています。
これだけでは判断できないので、実務では警察庁の解釈運用基準を使います。
現行は令和8年7月1日付の通達で、令和7年10月20日付の旧通達は廃止されています。
6つの類型の全体像は風営法の接待とはにまとめました。
コンカフェでよくある行為を当てはめる
ここが本題です。
解釈運用基準の判断基準を、コンカフェの実際の営業に当てはめます。
基準の軸は「特定少数の客に向けているか」と「飲食に通常伴う範囲を超えているか」の2つです。
席について話す|継続すれば接待
特定少数の客の近くにはべり、継続して、談笑の相手となったり、酒等の飲食物を提供したりする行為は接待に当たる。
警察庁 解釈運用基準(令和8年7月1日)第2の4(1)
これに対して、お酌をしたり水割りを作るが速やかにその場を立ち去る行為、客の後方で待機し、又はカウンター内で単に客の注文に応じて酒類等を提供するだけの行為及びこれらに付随して社交儀礼上の挨拶を交わしたり、若干の世間話をしたりする程度の行為は、接待に当たらない。
効いている言葉は「はべり」と「継続して」です。
注文を取りに行ったついでの世間話までは接待になりません。
席について話し続ける形にした時点で、接待の側に入ります。
カウンター越しに接客する作りが、コンカフェで多く採用されているのはこのためです。
ゲームやチェキ|一緒にやれば接待
コンカフェ特有のメニューがここに当たります。
特定少数の客と共に、遊戯、ゲーム、競技等を行う行為は、接待に当たる。これに対して、客一人で又は客同士で、遊戯、ゲーム、競技等を行わせる行為は、直ちに接待に当たるとはいえない。
警察庁 解釈運用基準(令和8年7月1日)第2の4(5)
キャストが客と一緒にカードゲームやボードゲームをやれば、接待です。
客同士でやらせて、キャストは見ているだけなら直ちに接待とはいえない、という書き分けになっています。
チェキの撮影そのものは類型に明示されていませんが、撮影のために身体を密着させれば別の類型に触れます。
身体の接触|握手は接待でない
客と身体を密着させたり、手を握ったりするなど客の身体に接触する行為は、接待に当たる。ただし、社交儀礼上の握手、酔客の介抱のために必要な限度での接触等は、接待に当たらない。
警察庁 解釈運用基準(令和8年7月1日)第2の4(6)
握手は除かれています。
一方、肩を組む、腕を組むといった密着は接待です。
同じ基準に「客の口許まで飲食物を差出し、客に飲食させる行為も接待に当たる」ともあります。
いわゆる「あーん」の演出は、この一文に当たります。
歌やパフォーマンス|誰に向けるかで変わる
ステージ演出のある店は、向ける相手で判断が変わります。
特定少数の客に対して、その客の用に供している場所で見せる形は接待です。
ホールの全員に対して同時に見せる形は、ディナーショーと同じく接待に当たらないとされています。
歌唱についても、客の近くではべって手拍子をする、一緒に歌うのは接待です。
コンカフェは接待をしなくても許可が要る場合がある
接待を避けても、店の作りで引っかかることがあります。
法2条1項の2号と3号です。
コンカフェは演出のために照明を落とすことが多いので、特に2号に注意が要ります。
| 根拠 | 内容 |
|---|---|
| 法2条1項2号 | 客に飲食をさせる営業で、営業所内の照度を10ルクス以下として営むもの |
| 法2条1項3号 | 他から見通すことが困難で、広さが5平方メートル以下の客席を設けて営むもの |
世界観を作るために暗くすると2号、個室風のブースを作ると3号に近づきます。
どちらも接待の有無とは無関係に許可が必要になる類型です。
コンカフェで深夜営業をするなら接待はできない
営業時間の設計も先に決める必要があります。
許可を取ると、法13条1項により原則として午前0時から午前6時までは営業できません。
条例で定めた地域では延長できますが、地域と時刻は都道府県ごとに違います。
深夜も開けるなら届出で、接待はしない
酒を出して深夜も営業したいなら、深夜酒類提供飲食店営業の届出になります(法33条1項)。
その場合は接待が一切できません。
手続きの流れは深夜酒類提供飲食店営業の届出にまとめています。
なお酒を出さずに深夜営業する場合でも、従業者名簿を備える義務はあります(法36条)。
18歳未満のキャストは深夜に入れられない
コンカフェは若いキャストが多いので、年齢の確認が欠かせません。
18歳未満に接待をさせることは時間帯を問わず禁止で、22時から翌6時は客に接する業務にも就かせられません。
しかも条文は「年齢を知らないことを理由として処罰を免れることができない」としています。
確認の方法は風営法で18歳未満は雇えるかで扱いました。
まとめ|コンカフェと風営法で外さない点
この記事の要点をまとめます。
- 業態名では決まらない。条文にコンカフェの区分はなく、接待をしているかで判断される
- 席について話し続ければ接待。注文のついでの世間話までは接待でない
- 客と一緒にゲームをすれば接待。客同士でやらせるなら直ちに接待とはいえない
- 握手は接待でない。密着や、口許まで差し出して食べさせる行為は接待
- 演出は向ける相手で変わる。特定少数に向ければ接待、全員に同時なら当たらない
- 接待をしなくても許可が要る場合がある。照度10ルクス以下(2号)、見通し困難で5平方メートル以下の客席(3号)
- 深夜営業と接待は両立しない。許可を取ると原則0時まで(法13条1項)
メニューを設計する前に、どの行為を接客に入れるかを決めておくのが結局いちばん早い順序です。
接待をしなくても照度や客席の広さで許可が要る場合があります(風営法の許可4種類)。
照度の基準の使い分けは風営法の照度にまとめています。
集客の表示で気をつける点は風営法の広告規制で扱っています。
摘発で実際に多い違反はガールズバーの摘発にまとめました。
この記事は条文と警察庁の通達をもとにした一般的な整理です。
個別の演出やメニューが接待に当たるかは実態で判断されるため、開業前や内容を変える前に所轄の警察署(生活安全課)や風営法に詳しい行政書士に確認してください。
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この記事で参照した一次情報
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(2条1項1号〜3号・2条3項・3条1項・13条1項・22条1項・32条3項・33条1項・36条・51条2項)
- 警察庁 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準について(令和8年7月1日付)

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