MENU

業務委託キャストの労災|店の義務はどこまでか

労災保険が強制適用になる範囲と、業務委託キャストの特別加入

キャストは業務委託だから、労災の手続きは要らないと思っている。

ところがホールに1人でも従業員がいれば、話はそこで変わります。

労災保険は、労働者を1人でも使っていれば業種も人数も問わず強制適用です。

社会保険とは違い、個人経営のスナックでも例外はありません。

一方、業務委託のキャストは労働者ではないので、原則として労災の対象外です。

ただし、令和6年11月からフリーランスが特別加入できるようになりました。

この記事では、店に義務があるのはどこまでか、届出を怠るといくら取られるかを条文で整理します。

読み終えたら、自分の店に成立届が要るかどうかと、いつまでに出すかが分かります。

紙とExcelの給与計算を、LINEだけで終わらせる

シメルンは、スナック・ガールズバー・小さなバーのための給与計算サービスです。スタッフが出勤と退勤の時刻をLINEから入れて、オーナーが確認して確定すると、月末に支給額が出ます。日をまたぐ勤務と深夜割増の計算は、こちらで持ちます。

  • アプリのインストールは不要。LINEの中で完結します
  • 他のスタッフの時給や支給額は見えません
  • オーナーを含めて2人まで、ずっと無料で使えます

はじめてご利用の店舗は、次の締めが終わるまで無料です。カードの登録は要りません。

LINEで無料ではじめる

先に中身を見たい方は シメルンの紹介ページ へ

目次

労災保険は労働者が1人でも強制適用

根拠は労働者災害補償保険法3条1項です。

条文は一文で終わります。

この法律においては、労働者を使用する事業を適用事業とする。

労働者災害補償保険法3条1項

社会保険との違いがはっきり出る

厚生年金保険法6条は、個人の事業所について業種を16に限り、常時5人以上という人数も置いています。

飲食店はその列挙に入っていないので、個人経営なら強制適用になりません。

これに対して労災保険の3条1項には、業種の限定も人数の下限もありません。

社会保険の判定は飲食店の社会保険の加入条件で扱っています。

アルバイトも日払いのヘルプも労働者

3条1項が言う「労働者」には、雇用形態の限定がありません。

週1日のホールスタッフも、その日かぎりの日払いヘルプも、雇用して働かせていれば含まれます。

社会保険のように「1か月を超えたら」といった除外もありません。

アルバイトを1人雇った日から、店は労災保険の適用事業です。

待機している時間が労働時間に当たるかは待機時間と休憩で扱っています。

成立届は10日以内

手続きの期限は労働保険徴収法4条の2第1項にあります。

保険関係が成立した事業の事業主は、その成立した日から10日以内に届け出なければなりません。

届け出るのは成立日、事業主の氏名・名称・住所、事業の種類、事業を行う場所などです。

提出先は所轄の労働基準監督署になります。

業務委託のキャストは労災の対象外になる

3条1項が対象にしているのは労働者です。

業務委託で働いてもらっているキャストは、労働者ではないという整理になります。

そのため、店の労災保険からは給付が出ません。

労働者かどうかは実態で判断される

ただしこれは「契約書を業務委託にしてあるから対象外」という意味ではありません。

出勤日を指定し、遅刻にペナルティを科し、業務内容を細かく指示していれば、労働者と判断される方向に傾きます。

労働者と判断されれば、契約の形にかかわらず労災の対象です。

判断の分かれ目はキャストの業務委託で裁判例を並べて整理しました。

対象外でも責任が消えるわけではない

労災保険が使えないことと、店に責任がないことは別です。

店舗の設備が原因で怪我をした場合などは、労災保険とは別の枠組みで争われます。

労災保険が使えるほうが、店にとっても解決の道筋がはっきりします。

「労災が使えないから安心」という整理にはならないということです。

業務委託でも特別加入できるようになった

令和6年11月1日から、フリーランスが労災保険の特別加入の対象になりました。

根拠は労働者災害補償保険法33条3号と、その省令です。

加入するのはキャスト本人で、店が手続きするものではありません。

施行規則46条の17第12号に追加された

33条3号は「厚生労働省令で定める種類の事業を労働者を使用しないで行うことを常態とする者」と定めています。

その省令が労働者災害補償保険法施行規則46条の17で、自動車運送や建設など11の事業が並んでいました。

そこに12号として、特定受託事業者が業務委託事業者から業務委託を受けて行う事業が加わりました。

業種で絞っていないので、夜のお店の業務委託も入り得ます。

特定受託事業者は従業員を使っていない人

特定受託事業者は、フリーランス法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)2条1項の言葉です。

業務委託の相手方である事業者のうち、従業員を使用しない個人などがこれに当たります。

1人で働いているキャストは、この定義に収まります。

加入は特別加入団体を通じて行い、保険料は本人負担です。

店から案内はできるが強制はできない

特別加入は本人の任意です。

店が加入を義務づけると、指揮命令の材料と読まれかねません。

制度があることを案内するまでに留めるのが無難です。

具体的な範囲は労働基準局長の定めによるので、加入を検討するときは労働基準監督署に確認してください。

労災の手続きを怠ると給付額の40%から100%

ここが実額の話です。

成立届を出さないまま事故が起きると、給付は労働者に出ますが、その費用が店から徴収されます。

根拠は労働者災害補償保険法31条1項1号です。

故意または重大な過失で費用徴収になる

31条1項1号が対象にしているのは、事業主が故意又は重大な過失により保険関係の成立に係る届出をしていない期間中に生じた事故です。

この場合、政府は保険給付に要した費用に相当する金額の全部または一部を事業主から徴収できます。

徴収の割合は厚生労働省が運用で決めています。

徴収率は100%か40%

事業主が故意又は重大な過失により労災保険の成立手続を行わない期間中に事故が発生した場合、労災保険給付額の40%〜100%が事業主から徴収されます。

愛媛労働局 労災保険未手続事業主に対する費用徴収制度

同じ説明が、対象になる給付の範囲も限っています。

療養開始後3年間に支給されるものに限られ、療養(補償)給付と介護(補償)給付は除かれます。

加えて、遡って労働保険料と追徴金も徴収されます。

保険料を滞納している期間の事故も対象

31条1項には2号と3号もあります。

2号は、事業主が一般保険料を納付しない期間中に生じた事故です。

ただし督促状に指定する期限後の期間に限られています。

3号は、事業主が故意または重大な過失により生じさせた業務災害の原因である事故です。

まとめ:労災は雇っているかどうかで切る

  • 強制適用:労働者を使用する事業(労災法3条1項)。業種も人数も問わない
  • 社会保険との差:個人経営の飲食店は社会保険が強制でないが、労災は強制
  • 日払いも対象:雇用していれば期間の長短を問わない
  • 業務委託:原則対象外。ただし労働者と判断されれば対象
  • 特別加入:令和6年11月から特定受託事業者が加入できる(施行規則46条の17第12号)
  • 届出:成立から10日以内。怠ると給付額の40%〜100%の費用徴収

雇っている人がいるのに成立届を出していない店は、事故が起きる前に手続きしてください。

個人事業主が従業員を雇うときの手続き全体は個人事業主が従業員を雇うときにまとめています。

労働者かどうかは健康診断の義務にも効きます(深夜業の健康診断)。

労災保険の請求とは別に報告が要ります(労働者死傷病報告)。

この記事は条文と厚生労働省・労働局の公表資料をもとにした一般的な整理です。

労働者性の判断や特別加入の可否は個別の事情で結論が変わるため、具体的な扱いは所轄の労働基準監督署または社会保険労務士に確認してください。

紙とExcelの給与計算を、LINEだけで終わらせる

シメルンは、スナック・ガールズバー・小さなバーのための給与計算サービスです。スタッフが出勤と退勤の時刻をLINEから入れて、オーナーが確認して確定すると、月末に支給額が出ます。日をまたぐ勤務と深夜割増の計算は、こちらで持ちます。

  • アプリのインストールは不要。LINEの中で完結します
  • 他のスタッフの時給や支給額は見えません
  • オーナーを含めて2人まで、ずっと無料で使えます

はじめてご利用の店舗は、次の締めが終わるまで無料です。カードの登録は要りません。

LINEで無料ではじめる

先に中身を見たい方は シメルンの紹介ページ へ

この記事で参照した一次情報

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次